信長の野望 新生が出たので遊んだ
今回の信長はね、中々素晴らしいですよ。
何が素晴らしいかっていうと、一言で言えば「ちゃんとしたシミュレーションゲームである」ということ。
安易なキャラゲーから一皮剥けた感触はそこにあった。
物量こそが正義、圧倒的物量それが戦うべき敵。
革新から天道、創造から大志に繋がる進化・・・進化?の歴史がミームとしてしっかりと反映されてきた成果物として、今回の新生はとても完成度が高いものだと、まだ序盤ですが感じました。
さて、じゃあ今回もさっくりですが「外交」「内政」「合戦」にテーマを分けてそれぞれの評価を書いていこう。
ただしまだクリアしていない人間のいつもの戯言ではある。そこんところは理解した上でどうぞ。
ちなみに、桶狭間の戦いシナリオの蘆名家です。私はなぜか毎回新作が出るたびに蘆名家で遊ぶのを礼儀としている。
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「外交」について
今までのシリーズおなじみのポイント外交。
外交要求を通すまでに親善コマンドを実施して友好ポイントを貯めて、同盟なり援軍要請なりを買う。
それなら評価は低い・・・とはっきり言えないのが今回。
今回の外交の特徴の一つは、八方美人外交が難しい場合がある、ということ。
同盟国を増やすと、増やしたことそれ自体により他勢力から警戒されてしまい、親善コマンドの効きが悪くなったりするため、ちゃんと相手は選ばなきゃいけない。
また、親善コマンド自体を行うためのリソースについても地味に金銭を要求されているが、序盤に割とキツい。
家宝を買って譲渡することでブーストがかかるのはもしかしたら今作もあるかもしれないが、とにかく金がないとにっちもさっちもいかない。そしてそれができる余裕のある大名家である場合、そもそもそこまで媚を売る必要がなかったりするのが非常にジレンマ。それが良かったりもする。
ちなみに、後述ずる「合戦」によって敗北した場合、特定大名とかは
「お前力ないから義じゃないですし、距離置きますね」
とか言い出したりするので情けないプレイはしないほうがいい。当然逆もあるから頑張ろう。
ただ、これはどうなんだと思うところもあったりした。
例えば、蘆名家が伊達家と同盟を結んでいる。そして伊達家は二階堂家と田村家とも同盟を結んでいる。
こんな状況で、我らが蘆名家がやれ長尾がこっち向いてない隙をついて二階堂を攻め滅ぼそうとする。
もちろん、長尾家がこっちを向いてそうな雰囲気とか予感とかそういうのを感じたら、ダメであることは言うまでもない。
さて、その時伊達家から使者が訪れる。
「ちょっとさ…ワシの顔を立ててさ…停戦してよ」
仕方がない。今作は親善ポイントを相手方も貯めることができるのだ。もちろん受け入れればお金も少しだけ入るし、断れば関係が悪化する。
そういう意味では公平なアクションである。
じゃあ、と長尾家がまだこっちを向いてないのを見計らって田村家を討ち滅ぼそうとする。
長尾家がこっちを向いてそうな雰囲気とか予感とかそういうのを感じたら、ダメであることは言うまでもない。
さて、その時伊達家から使者が訪れる。
「ちょっとさ…ワシの顔を立ててさ…停戦してよ」
仕方がない。今作は親善ポイントを相手方も貯めることができるのだ。もちろん受け入れればお金も少しだけ入るし、断れば関係が悪化する。
そういう意味では公平なアクションである。
6ヶ月後。
我らが蘆名家はまだ健在である。隣の暴君のおかげで胃袋に穴が開いている。
停戦期間もたった今終了した。今のうちに二階堂家を滅ぼすのだ!急がないといけないんだ!
さて、その時伊達家から使者が訪れる。
「ちょっとさ…ワシの顔を立ててさ…停戦してよ」
仕方がない…なんて誰が思うのか?いい加減にしろ。
お前のワガママで蘆名が広がらないぞ!長尾家がきたら責任取れんのか!ていうか長尾を攻めろっていうのか!
などと、こういうループが起きてしまうことがある。
ここについては要改善ではないだろうか。同盟切れても言ってきたぞあいつら。
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「内政」について
今回のキモはここだと思う。今んとこ100点に近い。
本拠地では大名が城主を務め、各地域に代官を置くことで様々な施設を建てたり諸勢力との関係改善提案なども発生したりする。ここでプレイヤーが労力ポイントを使って各地域で施設を建てたり投資したりすることもできる。
本拠以外の城では、侍大将以上の身分を持った武将が城主となることができる。
そして、足軽組頭より上の身分になった武将に各地域を「知行」として分け与えることができる。
これが、本拠における代官の代わりである。
代官は組頭でもなれるが、知行はダメ。そういう意味で今回は各武将の身分が非常に重要なものとなる。
そして、まだ体験していないが面白そうな要素がある。
作る施設によって、そこの城から出せる兵種などにも特徴が出てくるのだ!
マニュアルにこんな一文がある。
「騎馬LV・鉄砲LVを上げると、敵部隊と交戦中、一定確率で強力な攻撃を行う。合戦中は接敵時に必ず強力な攻撃を行う。
LVが高いほど威力が上がり、5、10になると大きく威力が上がる。
騎馬LV・鉄砲LVは9まで、城下施設、政策、特性、上位集落でLVを上げられる。特定の勢力は固有の政策を発令すると、12まで上がる。 」
今作は、鉄砲や騎馬は買うものではない?
各城で作った建造物などの傾向によって、そこから出陣する兵がこれを見るととても強くなったりすることになる。
かと言って、じゃあとにかく強ければいい?
いやいや、金銭と兵糧と最大兵力どこで増やすの…?といった感じ。
だから土地ごとに内政の色分けが必要となるわけですね。多分。
こういうのって内政整えたい人からすると重要なわけですよ。
ちなみに、櫓系もあるので、最前線のお城は櫓いっぱいみたいな革新みたいなプレイもアリうるね。
そしてこれは今回のみの特徴かなと。登用のハードルが高い。
浪人が流れてきたのをコマンドで確認するのではなく、家臣が「こんな人いるっぽい」とか「俺人脈凄いっスから連れてきていっすか?」だの言い出す。
それに対して労力と金銭を使い、許可することで確率で登用できるのだ。
時間もかかるし、家臣の気まぐれ感もある。
とまぁ、そんな感じに練り込めるところもありつつ、私が信長の野望大志で唯一大きく評価できるとしている「内政システムの簡素化、わかりやすさ」というミームもしっかり受け継いでいるように思える。
あれこれごちゃごちゃやるんじゃなくて、知行を与え、政策等を整え、合戦に臨む。
要するにこれだけなのだ。その割に戦国乱世がそれすら実行する余裕を与えてくれない。
正しい意味でシミュレーションゲームの勘所を抑えていると言える。ボードゲームに近い匂いもある。
だから、イイと思う。
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「合戦」について
最初に書いておくと、今作は
「めちゃくちゃCPUがアグレッシブに戦線を拡大してくる」
全国マップは創造を踏襲していると言って差し支えない。
あのマップで敵勢力がガンガン領土拡大に勤しんでいる。
そして今回特に感じたのは、そのアグレッシブさを容赦なく我が家にも向けてくる極悪さである。
ちょっとでも隣を攻めようとすると、みんな大好き長尾家が喜々として1万の兵を差し向けてくるだろう。
もしくは、みんな大好き北条家が喜々として2万の兵を逐次投入してくるだろう。
そういう環境があるからこそシミュレーションゲームとしての歯ごたえがあると言えるのだ。
創造や大志では、やもすれば「あれ?ウチ無視されてない?」ってくらい攻められないこともある。
あの甘さが今作には一切ない。奴らはおいしそうな餌があればすぐ来る。
さて、その上で合戦システムについてだが、合戦という言葉を使うと不便なのでここでは軍事としておく。
軍事フェーズに入る際、色々な城から出陣することになる。
そこで、知行を与えられた武将や、代官になった武将が、その土地の兵力を動員して城から出陣する兵力となるわけだ。
つまり、城に表示されている兵力数は、範囲内の土地の兵力の合計を指すことになるようだ。
さて、出陣するとする。行軍中に本拠の兵力が内政の結果また増えたりすることもあろう。
じゃあ追加で出陣させることができるのか?実はそれはできないことがある。
出陣中の部隊の中に、その土地の武将が入って行軍しているからだ。人は分身できない。
だから、兵力があるからといってどんどん出せばいいじゃん、という風にはならないわけだ。
さて、軍事フェーズで行軍をし、敵部隊と接敵すれば大マップでの戦闘が始まる。
そこでは創造と同様に、能力差により兵数が削られていく大雑把な戦闘が繰り広げられる。
この時、大名が範囲内にいることと、部隊数が2部隊以上いることという条件が揃うことで「合戦」コマンドが実行可能。
会戦パートへと突入する。
先程書いた、騎馬Lv、鉄砲Lvはこの会戦パートで非常に重要なものとなりそうだった。
こちらの兵の質と、武将の能力によって、会戦パートで敵を一網打尽にすることもできれば、逆にされることもある。
その結果、どちらかの部隊が壊滅し、その後の戦況に大幅な変化を齎すことになる。
まぁ、創造に近いと思うけども、今回はボードゲーム感が強い会戦マップとなっている。
拠点から色々なルートが線で繋がっており、その中で各部隊は移動し、拠点を取り、敵部隊と戦う。
拠点を取ることで総士気やマップ上での攻撃補助など様々な影響が出る。
挟撃を狙うことも非常に重要である。
本陣とも言うべき、「退き口」をすべて破壊することで一発逆転の勝利も狙えたりする。
もちろん敵武将は必死で守りにくるが。
この点において、創造よりも優れていると断言したいところは、
「しっかりと勝敗をつけるゲームとしてルールが定まっていること」
過去作は、マップの中をぞろぞろと部隊が走るという臨場感に重きを置きすぎて、実際の戦闘はかなり大雑把だった。
今回は、ルールがあり、その勝利条件に向かって知恵を出し合う。
しかも、配下武将は何も指示しなくても動いたりしてくれる。お利口さんか?
攻城戦については、マップ上で城に張り付いたら始まる。
「包囲」と「強行」があり、包囲では味方兵数は減らないで城の耐久値を減らし続けるが、時間がかかる。
強行は、味方兵数が城の防衛力に応じて減っていくが、包囲よりも早いペースで耐久値を減らせる。
これを選んで攻めていく形になる。
ここについては、合戦マップなどはまだなさそう?なので、もしもPKとかあれば、いやあるだろうな、あるよな…
練ってもらって攻城戦マップでの合戦なども追加してくれると嬉しいかも?でも煩雑になるのかも。どうだろう…
何にしろ、非常にわかりやすいルールでありつつ、合戦の結果によって郡(武将が治める土地)をいくつか我が物ととしたり、ルートを変えて挟撃を狙ったり。創造のシステムをよりシミュレーションとしてふさわしいものに進歩させた、と言って差し支えないのではないだろうか。
だから、これも評価はしたい。もしかしたらもう一振り味付けがあると更にイイかもね。
まずは兵種使えるようになってみたい。
とまぁ、そんな感じである。
今までの段階では高得点を出せる作品だと思った。
誰かの評価がないと買う踏ん切りがつかないという人がもしいたとすれば、このゲームは私のきりなんとか印をあげますので、参考にしてはどうだろうか。
こんなものを参考にしたいのであればだが。
とにかく、領土拡大と周辺諸国との化かし合い殴り合い。
普通にボコられたりもするシビアなシミュレーションで一喜一憂したい人にはオススメしたい。
あと、アイキャッチで使っている、ゲーム中に出てくるこの画像。
自分めちゃめちゃ笑えちゃいました。なんでだろう?